『月刊ゴルフマネジメント』2024年12月号に代表理事である木下裕介の連載の第6回が掲載されました

2024年12月1日発行の『月刊ゴルフマネジメント』2024年12月号に代表理事である木下裕介の「ゴルフ場のデジタル革新」の連載の第6回が掲載されました。

今回は「デジタルサイネージで切り拓く、ゴルフ場の新たな収益モデル」というタイトルで、ゴルフ場へのデジタルサイネージ導入を通じてゴルフ場のメディア化に取り組む株式会社hunnyの古澤氏をインタビューし、そちらをまとめた内容になっておりますので、ご一読いただけますと幸いです。

目次

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近年、ゴルフ場業界では収益性の向上が課題となっています。特に、コースの維持管理費や人件費の上昇により、多くのゴルフ場が経営の効率化を迫られています。そんな中、ゴルフ場のメディア化という新しいアプローチで、この課題に挑戦する企業が登場しました。

今回は、ゴルフ場へのデジタルサイネージ導入を通じてゴルフ場のメディア化に取り組む株式会社hunnyの代表取締役である古澤氏にお話を伺いました。私事ですが、古澤氏は筆者の開成中学・高等学校のサッカー部の後輩であり、東京大学の同窓生でもあります。


まず、古澤さんのバックグラウンドについて教えてください。

古澤氏: 大学2年生の頃からデジタルマーケティングの世界に携わり始めました。GMOインターネットグループでWebマーケティングのインターンを経験し、その後、友人の会社でマーケティング支援を行いました。22歳で株式会社hunnyを起業し、現在9期目を迎えています。

当初はデジタルマーケティングの総合支援やコンサルティングを行っていましたが、徐々に事業を拡大し、4年前にシステム開発事業部を立ち上げました。そして2年前から、現在のデジタルサイネージ事業の開発を始めました。

ゴルフ場へのデジタルサイネージ導入について、どのような取り組みをされていますか?

古澤氏: 我々は「ゴルフ場のメディア化事業」と呼んでいますが、主にゴルフ場のトイレやレストラン、ロビーにデジタルサイネージを設置しています。従来の紙媒体による広告と異なり、音声や動画による訴求が可能で、より効果的な情報発信ができます。ゴルフ場は富裕層の方々が集まる場所であるにもかかわらず、メディアとしての価値が十分に活用されていないのではと考えました。

デジタルサイネージを通じて、ゴルファーに向けた効果的な広告配信を可能にします。さらに、将来的にはゴルフカートやクラブハウス全体にも展開し、ゴルフ場全体をメディア化することを目指しています。

デジタルサイネージを導入することで、どのようなメリットがありますか?

古澤氏: ゴルフ場にとっては新たな収益源となります。広告収入の一部をゴルフ場にも還元する仕組みを作っています。

広告を出稿される広告主にとっては、富裕層や特定の属性を持つターゲットに効果的にリーチできるメリットがあります。さらに、オンラインとオフラインの垣根を越えたマーケティングが可能になります。例えば、デジタルサイネージで認知を獲得し、その後のデジタル広告でフォローアップするといった、統合的なアプローチが実現できます。

現在の導入状況と反応はいかがですか?

古澤氏: 埼玉県の北武蔵カントリークラブや静岡県のレンブラントゴルフ倶楽部御殿場など、複数のゴルフ場に導入しています。ゴルフ場は費用負担なく導入・設置・運用ができるため、現場からは特に負担になるという声はなく、むしろ今後の機能拡充・広告収益増加などへの期待の声をいただいています。

広告主側からも好評で、例えば事業承継やM&Aのコンサルティング会社などから、3ヶ月や6ヶ月単位での長期契約のオファーをいただいています。

ゴルフ場のメディア化を進める上での課題は何だとお考えですか?

古澤氏: ゴルフ場側の意識改革が必要だと感じています。新しい取り組みに対して消極的な場合もあります。しかし、ゴルフ場の経営が厳しい現状を考えると、新たな収益源の確保は重要な課題です。

また、広告主側のリテラシー向上も課題です。ゴルフ業界の企業の中には、効果測定が不十分なまま広告を出稿しているケースも見られます。我々のサービスを通じて、より効果的な広告配信と正確な効果測定を提供していきたいと考えています。

最後に、今後の展望についてお聞かせください。

古澤氏: まずは、より多くのゴルフ場への導入を目指しています。特に新しい取り組みに積極的なゴルフ場との協業を進めていきたいと考えています。同時に、広告主の獲得にも注力していきます。現在は事業承継やM&A関連の企業との取引が中心ですが、特にゴルフ関連用品の企業との連携は大きな可能性があると考えています。

将来的には、ゴルフカートや練習場などにも展開し、ゴルフ場全体をメディア化することを目指しています。また、サンプリングやサービス体験など、より直接的なマーケティング施策も検討しています。

さらに、ゴルフ場のDXにも貢献していきたいと考えています。デジタルサイネージを通じたコミュニケーションの活性化や、データを活用したマーケティング支援など、ゴルフ場の経営改善に寄与できる取り組みを進めていく予定です。


ゴルフ場のメディア化は、ゴルフ業界に新たな可能性をもたらす取り組みといえるでしょう。特に、従来の収益モデルに依存しない、新たな収益源の確保という点で、業界に大きなインパクトを与える可能性を秘めています。

近年、タクシーの車内ディスプレイ広告や、オフィスビルのエレベーター内のデジタルサイネージなど、「待ち時間」や「移動時間」を活用した広告メディアが注目を集めています。ゴルフ場という特定のターゲット層が長時間滞在する空間においても、同様のアプローチが有効である可能性は高いといえるでしょう。

古澤氏の挑戦が、ゴルフ場の経営改善と、より魅力的なゴルフ環境の創出につながることが期待されます。同時に、広告主にとっても新たなマーケティングチャネルとして注目される存在になるかもしれません。

今後、この取り組みがどのように発展し、ゴルフ業界にどのような変革をもたらすのか、引き続き注目していく必要がありそうです。

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