清掃ロボットや配膳ロボットの導入が半額補助される?今年注目の「中小企業省力化投資補助金」とは?

ゴルフライフデザイン代表理事の木下です。

ゴルフ場運営において、売上の拡大や生産性向上は重要な課題です。特に、昨今の労働力不足が深刻化する中で、効果的な対策を講じることが求められています。そこで注目されているのが「中小企業省力化投資補助金」です。

この補助金は、IoTやロボットなどの先進技術を活用し、労働力不足を解消しつつ業務の効率化を図るための支援を目的としています。今回は、この補助金の概要や申請方法、導入事例を通じて、ゴルフ場の運営改善にどのように役立てるかをご紹介します。

目次

中小企業省力化投資補助金の概要

「中小企業省力化投資補助金」は、IoTやロボットなどの付加価値や生産性向上に効果的な汎用製品を「製品カタログ」から選択・導入することで、中小企業等の付加価値や生産性の向上、さらには賃上げにつなげることを目的とした補助金です。「製品カタログ」に掲載された製品が補助対象となり、補助上限額は従業員数ごとに異なり下記のようになっています。

補助対象補助上限額補助率
補助対象として
カタログに登録された
製品等
従業員数5名以下200万円(300万円)1/2
以下
従業員数6〜20名500万円(750万円)
従業員数21名以上1,000万円(1,500万円)
※賃上げ要件を達成した場合、()内の値に補助上限額を引き上げ

ゴルフ場での活用ケース

1. 清掃ロボットの導入

クラブハウス内の清掃業務に清掃スタッフの人手を要している場合は、「中小企業省力化投資補助金」を活用し、清掃ロボットを導入することができます。

この清掃ロボットは、家庭用掃除ロボットと同様に決められたルートを自動的に清掃し、ゴミの収集を行います。これにより、清掃業務の効率が大幅に向上し、スタッフの負担が軽減することができます。

製品カタログに掲載されているアイリスオーヤマ株式会社の「Whiz i アイリスエディション」は石坂ゴルフ倶楽部やリゾートトラストグループなどのゴルフ場で既に導入されており、スタッフの方に話を聞いてみると、ゴルファーがクラブハウスに持ち込んでしまう砂の清掃が既存の掃除機よりも効率的に実施できると好評でした。

2. 配膳ロボットの導入

クラブハウス内のレストランの配膳業務にスタッフの人手を要している場合は、「中小企業省力化投資補助金」を活用し、配膳ロボットを導入することができます。

このロボットは、既に多くのファミリーレストランなどで導入が進んでいますが、注文された料理や飲み物を自動的にテーブルまで運ぶことができます。これにより、配膳業務の効率化が図られ、スタッフはよりお客様へのサービスに集中することができるようになります。既に配膳ロボットを活用し、料理の配膳や下膳を効率化するゴルフ場が増えてきたように感じます。

製品カタログに掲載されている株式会社Preferred Roboticsの「カチャカプロ + カチャカシェルフ3段(プロ用) セット」、SOCIAL ROBOTICS株式会社の「BUDDY」は各種センサにより人や障害物を回避しながら自律走行により料理や飲み物等を人に代わって配膳することができます。

3. スチームコンベクションオーブンの導入

クラブハウス内のレストランの調理業務のスタッフの人材不足に頭を悩ませている場合は、「中小企業省力化投資補助金」を活用し、スチームコンベクションオーブンを導入することができます。

スチームコンベクションオーブンとは、プログラム機能を持ち、料理、食材ごとの加熱時間、温度等を登録でき、使用する人間を問わず調理を任せられる製品です。原理としては、蒸気発生装置の熱風、水蒸気、熱風+水蒸気を利用することにより、焼く、蒸す、煮る、炊く、炒めるなど多様な加熱調理を1台で担うことができます。

製品カタログには、タニコー株式会社、北沢産業株式会社、株式会社コメットカトウ、株式会社フジマックのスチームコンベクションオーブンが登録されております(2024年6月17日現在)ので、自社のゴルフ場に合わせて製品を選定してはいかがでしょう。

4. その他

「製品カタログ」に登録されているカテゴリーは順次追加されておりますので、定期的に確認するのが良いでしょう。

中小企業省力化投資補助金の交付申請〜補助金交付のフロー

今回の中小企業省力化投資補助金の交付申請から補助金交付までのフローは下図の通りになっています。特徴的なのは、交付が決定し、補助事業を実施した後、5年間(5回目の効果報告を行うまで)毎年度4月から6月までに効果報告を実施しなければならないことでしょう。

効果報告として、毎年度初めに①省力化製品の稼働状況②事業計画の達成状況を報告します。②事業計画の達成状況については、下記の労働生産性の向上と賃上げについての目標達成状況を報告する必要があるため、交付申請時に念頭に置いておく必要があります。

労働生産性の向上目標

補助事業終了後3年間で毎年、申請時と比較して労働生産性を年平均成長率(CAGR)3.0%以上向上させる事業計画を策定し、採択を受けた場合はそれに取り組む必要があります。

賃上げの目標

下記2点を補助事業期間終了時点で達成する見込みの事業計画を策定した事業者は、補助上限額を引き上げます。

  • 事業場内最低賃金を45円以上増加させる
  • 給与支給総額を 6%以上増加させる

第1回公募回は、2024年6月25日(火)に受付開始され、2024年7月19日(金)が申込締切予定ですので、是非必要に応じて申請してみてはいかがでしょうか。

まとめ

中小企業省力化投資補助金を活用することで、ゴルフ場の売上拡大や生産性向上を実現することが可能です。労働力不足が深刻化する中で、先進技術を導入し、業務の効率化を図ることは、今後ますます重要となるでしょう。補助金を上手に活用し、ゴルフ場運営の改善に取り組んでみてはいかがでしょうか。

弊社ではこちらの煩雑な補助金の申請や効果報告を伴走する会社を紹介させていただくことも可能ですので、お気軽に問合せください。


中小企業省力化投資補助金の詳細については、以下のリンクをご参照ください
中小企業省力化投資補助金公式サイト

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